愛人契約

僕と彼女は出会い系サイトで知り合った。
最初はただの援助交際だったが、やがて愛人契約へと発展した。
毎月、お手当を渡して、家へと来てもらう。本当はマンションの一つでも買ってあげればいいのだろうけど、僕にはそんなお金はなかった。
だから、愛人契約と言うよりは、通い妻契約と言っていいかもしれない。
それでも、彼女はそんな中途半端な愛人契約にも了承してくれて、週一程度で家に通ってくれた。
彼女が来てくれる日は、僕はなかなかに浮かれていて仕事が手につかないくらいだった。
そして、僕は彼女を存分に愛した。彼女の体で知らないところはない、というくらいにその瑞々しい肉体を、その日だけは僕が独占した。
愛する人と書いて愛人と言う。僕にとって、彼女は間違いなく愛人だった。
ただし、やがて僕には欲が出てきた。僕は間違いなく彼女を愛している。まさしく愛する人と書いて愛人だ。
しかし、彼女はおそらく僕のことを愛していなかった。愛人契約に基づいて払ったお金分の仕事をしているだけなのだ。僕は、彼女を愛していたが、同時に彼女に愛されたいとも思い始めたのである。
お金を支援してくれる人
もちろん、二人で会っている時は、まるで恋人のように僕とイチャイチャしてくれる。誤解してしまいそうになるが、その根底には僕が支払っているお金があるのだ。
彼女が本心から僕を愛してくれているかはわからない。仮に「来月からお金は払わない。でも家に来てくれ」なんて言ったところで、来てくれるわけがないと思った。
でも、僕は彼女の本心を聞きたかった。そして、愛人契約終了日に契約を満了するか延長するかの話し合いの場で、僕は思い切って告白してみた。これからは、恋人としてお付き合いしてほしい、と。
答えはNOだった。あなたのことは嫌いではないけど、縛られたくないという返事だった。ただ、愛人契約の延長は了承してくれた。
僕は、お金以外で彼女の心は得られなかったのだ。
あれから10年がたつ。実はまだ、彼女との愛人契約は続いている。
さすがにもう結婚してくれてもいいんじゃない?なんて軽口を叩くと、私は今のあなたとの関係を愛しているから、なんて答えてきた。
セクロス
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